自律的キャリアビルディングの武器として、海外オンラインMBAへの関心が高まっています。
でもそもそも海外MBAって誰でも目指せるものなのでしょうか??
実は3つの入学要件があるのです。
この記事では、留学経験ゼロからオーバー45でMBAホルダーになった筆者が、この3つの要件について丁寧に解説します。

勉強を始める前に確認すべきこと
MBAは「資格」ではなく「学位」
MBAはMaster of Business Administrationの略で、日本で言えば大学院の修士に相当し、ビジネススクールで所定のカリキュラムを修了することによって得られる学位です。
弁護士、会計士、医師などのように試験に合格することによって得られる「資格」ではありません。
ちなみにフルタイム(通学型、全日制)でもオンラインでも、”MBA”という学位の価値は同じです。
履歴書にも”MBA”とだけ書けばよく、「オンラインで取得」と書く必要はありません。詳しくは下記記事をご覧ください。
3つの入学要件
各スクールは”Entry Requirement”や”Admission Requirement”として、入学に必要な要件を定めています。
海外オンラインMBAの場合、以下の3つが必要とされています。
- 学士号
- 就業経験
- 十分な英語力
以下でひとつひとつ説明していきます。
要件1 学士号(Bachelor’s degree)
4年制大学卒なら学士
上述の通り、MBAは修士課程です。
修士レベルの勉強をするためには、最低限でも学士号(4年制大学の学部卒で得られる学位)は持っておくように、というのがこの要件の趣旨です。
どんな学部の学士でもOK
MBAはビジネスを学ぶ修士課程だからといって、ビジネス系の学士が必要というわけではありません。
どんな学部の学士でもOKです。
MBA課程には医学部や工学部など、あらゆるバックグラウンドの学生がいます。
その多様な環境でビジネスを学ぶことこそがMBAの醍醐味なのです。
大学時代の成績は影響するのか?
ではとにかく4年制大学を卒業してさえいればひと安心…かというと、残念ながらそうではありません。
大学での成績がGPA3.0以上だったことを求めるスクールが多くあります。
GPA(Grade Point Average)とは、ざっくり言えば成績をスコア化したものです。
2000年代になってからは、ほとんどの大学が成績書に記載するようになっています。
たとえば、このSaint Mary’s College of Californiaでは、GPA3.0かそれと同等を要件としています。

大学時代のGPAなんて分からないという方は…
私もそうでしたが、そもそもGPAが何なのか分からない、もしくは自分のGPAなんか覚えてないという方も多いかと思います。
そのためにもまずは早めに出身大学から英文の成績証明書を取り寄せてみてください。
GPA不足でも職務経験でカバー可能
いざ成績証明書を取り寄せてみたら、GPAが成績証明書に記載されていなかったり、記載があっても基準には足りない、といったケースが多く見られます。
だからといって、簡単に諦める必要はありません。
豊富な職務経験があれば、数十年も前の学力不足をカバーすることは十分に可能です。
是非、スクール担当者と交渉してみてください。
海外スクールは非常に柔軟ですので、論理的な説明が出来れば、ケースバイケースで対応してくれる可能性があります。
要件2 就業経験
1~5年以上が必要
たまに就業経験を不問とするスクールもありますが、大抵は1~5年以上の社会人経験が必要です。
先ほどのSaint Mary’s College of Californiaでは、最低5年を求めています。
もし私のように45+歳世代なら、この要件は問題なくクリアですね。

要件3 英語能力
十分な英語力とは?
海外オンラインMBAで学ぶ学生は世界中から集まってきており、クラスのほとんどが非ネイティブということもざらにあります。
そこで、英語が母語ではない志願者については、「十分な英語力」が追加要件となります。
「十分な英語力」とは、つまり修士レベルの学習についていける英語力ということです。
具体的な英語スコア要件は?
では、具体的にどれくらいの英語力が要求されているのでしょう?
たとえばUniversity of Central Missouriでは、以下のようになっています。
- TOEFL exam score of 79 IBT
- IELTS exam score of 6.0
- Duolingo composite exam score of 120
出所:https://www.ucmo.edu/future-students/admissions/international-admissions/international-admissions-requirements/
TOEFL、IELTSはそれぞれ米国、英国の英語能力試験で、海外留学では昔からポピュラーですね。
一方、Duolingoは今、世界的に人気の語学学習アプリです。試験はスマホでも受けられ、手軽・安価・結果がすぐわかる、といいこと尽くしです。
これらのいずれかで基準を満たすことが必要です。詳しくは下記記事をご覧ください。
まとめ
ここでは、多くの海外オンラインMBAに共通する入学要件、①学士の学位、 ②就業経験 ③英語能力についてまとめてみました。
もちろん、入学要件の詳細はそれぞれのビジネススクールによって異なります。
特定のスクールに関心がある場合は、必ずそのスクールのWebサイトで“Entry Requirement” や “Admission Requirement” を調べて下さいますようお願いいたします。
*本記事は、英語で提供される海外オンラインMBAについて記載しております。内容は、執筆時点での筆者のリサーチに基づいています。