「働きながら海外MBA」には2種類ある フルリモートvsハイブリッド (リモート+対面) 

オンラインMBA

日本にいながらMBAを目指せる海外オンラインMBAが非常に人気を集めています。

ただ「オンラインMBA」と呼ばれるものの中には、

①フルリモート

②ハイブリッド(リモート+対面)

の二種類があります。

日本で海外MBAを目指す方にとっては、極めて重要なポイントです。

私自身、この違いを知らず、冷や汗をかいた経験があります。

それを踏まえて、①と②の違いについて実例を用いて詳しくご説明します。


実は2種類ある「オンラインMBA」

フルリモート vs ハイブリッド

海外オンラインMBAへの挑戦を検討中の方なら、まずご存じ頂きたいのが、”Online MBA”と呼ばれるものの中には、

 ①フルリモート型:リモート完結

 ②ハイブリッド型:リモート+対面

という2つのタイプがあることです。

「オンライン」と聞くと、「フルリモート」と考えがちですが、必ずしもそうとは限らないのです。

ここからは 45歳世代の目線で両者のメリット・デメリットについてお伝えします。

フルリモートのメリット・デメリット

フルリモート型MBAのメリットは何と言っても、日本を離れることなく、海外MBAホルダーになれることです。

45歳世代となれば、ご自分の勉強のために自由に海外渡航できる方はそれほど多くないかと思います。

日程調整や資金捻出に頭を悩ます必要がありません。

対面講義が無いので、ネイティブとの高速議論にストレスを感じることもありません。

(スピーキングが得意な方だと、これはデメリットにもなりますが…。)

デメリットは、face-to-faceの交流がない分、クラスメートや教員とのネットワーキングがどうしても弱くなることです。

またオンライン学習は淡々としたものになりがちですので、高いモチベーションがないと継続がを辛くなってしまうリスクもあります。

ハイブリッドのメリット・デメリット

ハイブリッドMBAには、Residential, Immersionなどと呼ばれる対面アクティビティがあります。

キャンパスでの集中講義やワークショップ、さらには学外活動として企業でのプロジェクトやクラス旅行など内容はスクールによって様々です。

対面ならではのネットワーキングやチームビルディング、独習では得られないグループ学習からの気づき、などメリットはたくさんあります。

カリキュラムのほとんどをリモートで学びつつ、フルタイムMBAのようなハンズオン体験も得られるため、良いとこどりのプログラムとも言われています。

とは言え、やはりデメリットもあります。

一つは、費用です。

渡航費など、学費以外の資金を準備する必要があります。

また年に数回渡航が必要なケースもかなりあるため、スケジュール調整もなかなかの難題です。

【私の場合】たまたまフルリモートだった

ここで恥ずかしながら、私の経験をご紹介します。

私の場合、MBA出願時には「オンラインMBAなんだからフルリモート」と信じて疑わず、ハイブリッドMBAなど存在すら知りませんでした。

当時は非正規雇用で資金の余裕はなく、スケジュールの問題もあって海外渡航は絶対に無理という状況でした。

何も知らずに入学したLeicester University MBAが、フルリモートだったのは本当に幸いでした。

もしうっかりハイブリッド型に入学していたら…と思うと、今でも冷や汗が出ます。

当時のリサーチ不足を深く反省しています…。

フルリモート or ハイブリッド

スクール選びで意識しておく

皆様の中には、私のように海外渡航が無理という方もいらっしゃれば、Immersionでクラスメートと触れ合いたいという方もいらっしゃると思います。

私のように冷や汗をかかないためにも、スクール選びの段階で、どちらのタイプかを意識しておいて頂くことが重要かと思います。

ところが、この2つの区別がそう簡単にできるわけではないのです。

フルリモート?ハイブリッド?いったいどっち?

下記に7つのオンラインMBAを挙げてみました。

それぞれどちらのタイプか分かるでしょうか?

答えは、

  フルリモート =3,4,6,7

  ハイブリッド  =1,2,5,7

プログラム名を見ただけでは全く区別がつきませんね…。

スクールによって呼び方は様々

1-4の”Global” や”Distance Learning”というのは、世界各地の学生を対象とするという意味合いで、”Online”と同義で使われることが多く、フルリモートもあればハイブリッドもあります。

5,6のBabson Collegeには両タイプがあり、”Flex  MBA”がハイブリッド、”Online MBA”がフルリモートです。

ちなみにハイブリッド型は、Flex MBA, Flexible MBA、Blended MBAとも呼ばれます。

7のIE(マドリード、スペイン)は、トップクラスのビジネススクールで、世界で最初にオンラインMBAを創設しました。

同一プログラム内にフルリモート生もいれば、ハイブリッド生もいるという自由度の高いデザインになっています。

フルリモート or ハイブリッドの識別

3つのステップ

ではどうしたらいいのでしょうか?

私自身の冷や汗体験を元に、以下の手順を考えてみました。

手間がかからない順に、①→②→③としています。

実際のスクールの例もご紹介するので、是非、参考になさってみてください。

①プログラム名で確認

まずは、プログラム名で確認なさってください。

“Hybrid””Flexible”と銘打たれていれば、対面コンテンツのあるオンラインMBAです。

たとえば、MBAランキングでも常に上位のCarnegie Mellon Universityには、3つのMBAプログラムがあり、その一つが”Online Hybrid MBA”です。

出所:Carnegie Mellon Universityウェブサイトを元に筆者作成

Hybridと冠しているだけに、このプログラムにはAccess Weekendsという対面アクティビティがあります。

実際の様子を紹介する動画もあり、Access Weekendsが学生を惹きつける大きなセールスポイントになっていることが分かります。

出所:Carnegie Mellon Universityウェブサイト

②ウェブサイト内の記載で確認

サイトを隅々までチェック

Carnegieのように、プログラム名が”Online Hybrid MBA”となっていると一目瞭然なのですが、残念ながらそういうパターンばかりではありません。

そういう場合は、地道ではありますが、プログラムの公式サイトを隅々までチェックするしかありません。

下記に類する語が見つかれば、ハイブリッドです。

  • Hybrid、Flexible、Flex、Blended
  • Immersive, Immersion、Residential、Residency、Intensive
  • On-campnus、Face-to-face、In-person

一方で、次のような表現があればフルリモートです。

  • 100%online, Fully-online, No on-campus requirement

これだけでは分かりにくいと思いますので、実例でご説明させて頂きますね。

実例① ハイブリッド University of North Carolina

University of North CarolinaのオンラインMBAはハイブリッドです。

サイトをじっくりチェックすると、「カスタマイズ可能なカリキュラム」というセールスポイントの一環として、in-person Summits – immersive experincesが紹介されています。

出所:University of North Carolina

このSummitはどちらかと言えば、バスケ試合観戦などもあるお祭り的イベントのようです。

紹介動画もアップされており、スクール選びにはとても役立ちます。

実例② フルリモート University of Texas at Dallas

次は、フルリモートの場合を見て見ましょう。

University of Texas at DallasのGlobal Leadership MBAは、プログラムのトップページに”100% online”と目立つように書かれています。

出所:University of Texas at Dallas

カリキュラム紹介のページにも、”fully-online”の文字が…。

同校は①のNorth Carolinaとは違い、効率性を求める学生に訴求しているようです。

プログラムによって狙いは様々ですので、ご自分に合ったプログラムをお探しになってください。

出所:University of Texas at Dallas

③スクールへの問い合わせで確認

ウェブサイトに記載がなくても…

さて、一番厄介なのは、プログラム名から判別できず、ウェブサイトにもヒントがないスクールです。

前述した私のケースでも、Leicesterウェブサイトには「フルリモート」または「ハイブリッド」かについての手掛かりはありませんでした。

特に記載がないからと言って、私のように「フルリモート」と早合点するのは、あまりにリスクが高すぎます

アドミッションオフィスに問合せ

最後の手段がアドミッションオフィスへの問い合わせです。

幸い、海外スクールは志願者対応に積極的です。

メール、チャット、SNSなどでコンタクトなどアクセス手段はいくつもあります。

日本在住の旨を伝えた上で、対面の有無、期間、時期、費用を聞いておかれると良いと思います。

実例③University of Bradford

たとえばUniversity of BradfordのMBA Distance Learningのウェブサイトを見て見ましょう。

Study Modeは”Online”となっていますが、「フルリモート」かどうかは分かりません。

出所:University of Bradfordウェブサイト

そこで本記事執筆のため、スクールオフィスに問い合わせたところ、すぐに担当者から

”There is no requirements to attend any on-campus teaching”

との答えが得られました。これで安心ですね。

フルリモートか、ハイブリッドの区別はスクール選びの重要なポイントとなります。

出来れば、早めに確認なさることを強くお勧めします。

まとめ

この記事では、オンラインMBAがフルリモートなのか、ハイブリッドなのかを確認する方法について説明しました。

私のように後で冷や汗をかかないよう、是非とも早めに確認なさることをお勧めします。

この記事でお伝えしたこと

オンラインMBAには2つのモードがある

  1. フルリモート型
  2. リモート+対面のハイブリッド型

両者の区別は、以下の3つのステップで。

  1. プログラム名で確認
  2. ウェブサイトの記載で確認
  3. スクールへの問い合わせで確認

*本記事の内容は、あくまでも執筆時点での筆者のリサーチに基づいています。各校の最新情報は必ず、スクールのウェブサイトでチェックなさってください。