フルリモートMBAならいつでもどこでもアクセスOK。
…のはずが、実はリアルタイムのライブ講義もあるのです。
頻度は、週1、月1,四半期ごとなど、スクールによって様々です。
時差のせいで、真夜中や仕事中になるケースも!
この記事では、あまり知られていない「フルリモートMBAのライブ講義」について詳しくお伝えします。

1. フルリモートは場所の制限なし
フルリモートMBAは、プログラムの全てがオンラインで提供されます。
ハイブリッドMBAのように、現地キャンパスでの講義やワークショップはありません。
つまり「場所」に拘束されないので、日本を離れずに海外MBAホルダーになれるのが大きな利点です。
では「時間」の制限も全くないのかというと、実はそうではありません。
2.時間の制限はある?
フルリモートMBAの構成要素は2つあります。
Asynchrounous(アシンクロナス):オンデマンドのテキスト・ビデオなど
Synchronous(シンクロナス):リアルタイムのライブ講義・グループプレゼンなど
Synchro(シンクロ)とは、同時・同期という意味です。
Synchroに否定の接頭辞”a”が付いたAsynchroは、「同時でない、非同期」を意味します。
以下では、この2つがどういうものなのかを具体的に説明していきます。
3.Asynchrounous=オンデマンド
フルリモートMBAでは、カリキュラムの大部分を占めるのがこのAsynchronousパートです。
VLE(Virtual Learning Environment) と呼ばれるプラットフォーム上に、ビデオ講義、文字テキスト、文献リスト、アサインメント(課題)、アセスメント(試験)など、オンライン学習に必要なあらゆるコンテンツが用意されています。
こちらのUniversity of Hullのサイトでは、Canvasというプラットフォームを使って、どのようにオンライン学習を進めるのかを動画で解説してくれています。
オンライン学習が初めてという方は是非、ご覧になってください。

学習コンテンツは10分程度でこなせる小さなユニットに区切られている場合が多く、通勤途中や昼休みに「1ユニットだけでも勉強しよう」という気にさせてくれます。
オンデマンドですので、自分のペースで学習を進められ、非常に効率的です。
4.Synchronous=リアルタイム
フルリモートといえども、時間は拘束されるのがこのSynchronousパートです。
AACSBやAMBAなどの国際認証スクールでは、一定時間以上のライブ講義が必ずコースに組み込まれています。
講師によるライブ講義だけでなく、ブレイクアウトルームやグループワークもあり、世界各地から集まった学生達とのリアルタイムで密なセッションは非常に刺激的です。
下記はCarnegie Mellonのライブ講義に体験参加した際の記事です。
登録方法もご紹介していますので、是非、オンラインMBAの雰囲気を味わってみてください。
・ライブ講義の頻度
ライブ講義の頻度は様々です。
米国ではWeekly live sessionとして「毎週X曜日X時から」といったケースが多いようです。
一方で、ライブごとに日時を個別に設定するスクールもあります。
たとえば、「科目ごとに2回のライブセッション」と定めているスクールでは、各科目の開講前にライブセッションの日時を早めにアナウンスしてくれます。
タイムゾーンを考慮して同じ内容のセッションを複数回実施してくれるスクールもあります。
・講義録画の提供
仕事や家庭へのコミット上、ライブ参加がどうしても難しい学生も多くいます。
そういった学生を救済するため、録画を提供してくれるスクールもあります。
ライブ講義のようなインタラクティブな交流はできないものの、少なくとも当日の議論内容へのキャッチアップは可能です。
・事前確認のススメ
ライブ講義の頻度と録画の有無は、スクール選びのとても重要なポイントだと思います。
対応できない時間帯に毎週ライブ講義があり、かつ録画の提供もない場合、卒業単位を無事に取得するのは至難の業かもしれません。
ライブ講義の詳細がウェブサイトに明記されていることはほとんどありません。
スクール決定前に事務局に確認しておかれることをお勧めします。
5.私のSynchronous体験
私の学んだLeicester MBAでは、科目毎に2回(=3か月に2回)のライブ講義がありました。
私は欠席も多く、参加率は50%くらいだったと思いますが、ライブ講義やグループワークで得た色々な気付きは、現在の私の考え方に大きな影響を与えています。
・個性豊かなクラスメート
クラスメートの中には、日本で暮らしているとあまり接点のない中東やアフリカの方々も多くいました。
職業も企業人だけでなく、医者、国際機関、起業家、農家など様々でした。
誰もが個性豊かで、枠にとらわれず、どんな事にも確固たる自分の意見を持っていることに衝撃を受けました。
即興でグループプレゼンを行うセッションでは、自然と誰かがイニシアチブをとり、建設的に話が展開。
絶妙にコンセンサスがとられ、見る見るうちにパワーポイントが仕上がっていくのも驚きでした。
遠慮しあって合意に時間をかけ、アウトプットも詳細に作りこむ日本人の集団とは意思決定プロセスが全く違いました。
今、あらゆる場面でこの時の経験がとても役に立っています。

・とは言え一番静かな学生だった…
…と偉そうな事を書いてしまったものの、実はそれほどディスカッションに貢献出来ていたわけではありません。
私はスピーキングは全くダメで、周りがあまりに積極的なこともあり、いつも一番静かな参加者でした。
ただ自宅からなので十分リラックスして参加できること、聞き逃したり、伝え漏らした場合もChatで補えることには助けられました。
誰もが忙しい中、時間をやりくりして参加しているので、時々、画面にお子さんが映り込んだり、Mute中に別件で電話している様子が映ったりすることもありました。
たとえバーチャルでもお互いの姿を見ながらの議論では、おのずと親近感や連帯感が生まれ、モチベーション向上に繋がったと思います。
6.まとめ
この記事では、フルリモートMBAのコンテンツとして、Asynchronous(オンデマンド)とSynchronous(リアルタイム)をご紹介しました。
特に、Synchroパートがどの程度の頻度なのか、録画はあるのか?はかなり重要なポイントなので、スクール選定の段階でチェックしておかれることをお勧めします。
この記事でお伝えしたこと
フルリモートMBAの2つの要素
Asynchrounous(アシンクロナス):オンデマンドのテキスト・ビデオなど
Synchronous(シンクロナス):リアルタイムのライブ講義・グループプレゼンなど
ライブ講義の頻度、録画の有無は早めにチェックしておく
*本記事の内容は、あくまでも執筆時点での筆者のリサーチに基づいています。各校の最新情報は必ず、スクールのウェブサイトでチェックなさってください。