オンラインMBAは学費の安さも大きな魅力。学費以外の費用もほとんどかかりません。
学費の安い海外オンラインMBAトップ10を調べたところ、最安は115万円。
しかもオンラインでも学位はフルタイムと同等なので、圧倒的なコスパといえます。
本記事では海外オンラインMBAの学費について、実例を使って丁寧に解説します。

1. 学費はスクール選びの重要な要素
どなたでもできるだけ学費は低く抑えたいと思います。
45歳でMBAに出願した私自身、家族にお金がかかる時期でしたので、学費はスクール選びの重要な要素でした。
ところが学費についてまとまった情報はあまりなく、文字通り手探りで四苦八苦した経験があります。
そこで以下では、学費の安いオンラインMBAプログラムをトップ10形式でご紹介したいと思います。
2024年-25年での入学を目指す方々の参考になれば幸いです。
2. 学費が安いオンラインMBA(アメリカ)
まずは、MBAランキングで有名なU.S News and World Reportによる「学費の安いオンラインMBAトップ10」をご紹介します。
U.S. News & World Report Most Affordable Online MBA Programs | |||
順位 | スクール名 | 総学費($) | 卒業率(%) |
1 | University of Texas Permian Basin | 8,246 | 78 |
2 | Fitchburg State University | 8,250 | 74 |
3 | University of North Georgia | 9,696 | データなし |
4 | Eastern University | 9,900 | データなし |
5 | Lamar University | 9,930 | データなし |
6 | Northeastern State University | 10,035 | 54 |
7 | Sam Houston State University | 11,529 | 63 |
8 | Missouri State University | 11,832 | データなし |
9 | Oklahoma State University | 12,012 | 84 |
10 | Florida Gulf Coast University | 12,342 | データなし |
ランキングをご覧頂く際にご留意頂きたいのは下記の事項です。
- 全て米国スクールで、その多くが公立大学。中には海外学生を受け入れていないスクールもあります。
- 2位のFitchburg State Universityなど、3大国際認証のないスクールもあります。
1ドル=140-150円の円安で計算しても、10校とも100万円台となります。
10校の平均値は$10,377、つまり140万ー155万です。
最も安いのは、$8,246(115万ー123万)のUniversity of Texas Permian Basinです。
University of Texasは、9つの独立したスクールが集合して構成された州立大学で、Permian Basin校はそのうちの1つです。
ちなみに、オンラインMBAで最も学費が高いCarnegie Mellon Universityは、$147,648。2000万を超えてきます(Immersionなどの対面パートのコストは含まず)。
この価格差をどう捉えるかは、オンラインMBAにどんな意味を求めるかによって変わってくると思います。
3. 学費が安いオンラインMBA(イギリス)
上記のランキングは米国スクールのみでしたので、日本からの入学者が多いイギリスも見てみましょう。
残念ながら英国オンラインMBAの学費についてまとめてくれているサイトが見つかりませんでしたので、自力で調査してみました。
対象:国際認証を取得したイギリスのオンラインMBA
調査時期:23年9月、24年8月
順位 | スクール名 | 24年学費(ポンド) | 23年学費(ポンド) |
1 | University of Hull | 12,500 | 12,000 |
2 | Oxford Brooks University | 18,950 | 18,600 |
3 | University of Leicester | 19,150 | 17,700 |
4 | University of Bradford | 20,196 | 19,704 |
5 | Aston | 21,000 | 18,700 |
6 | The Open University | 21,105 | 21,625 |
7 | Aberdeen | 22,390 | 23,250 |
8 | University of Liverpool | 23,153 | 22,050 |
9 | Birmingham | 24,290 | 24,284 |
10 | Manchester Metropolitan University | 27,500 | 14,976 |
MBAに限らず英国大学の学費は、ここ最近毎年のように上昇しています。
上記10校でも23年ー24年にかけて平均10ポイント高くなっています。
10校の平均は£20,988(ポンド)で、日本円にすると367万ー419万といったレンジ。
(1£=175-200円で計算)。
最も安いのはUniversity of Hullの£12,500となり、大体218万から250万くらいです。
Hullはのちにジョージ6世となるヨーク公が1927年に設立した由緒ある大学です。
少し前までは、AACSB,AMBA, EQUISという3大国際認証を取得したトリプルクラウンでした(現在EQUISの認証は受けていません)。
学費が安いとはいえ、国際認証があるので教育の質は担保されていると言えるでしょう。
4. 学費に含まれるコストは?
学習ツールからキャリアサポートまで
オンラインMBAにかかるコストは、ほぼ大部分が学費(tuition)です。
私の卒業したUniversity of Leicesterの場合、下記の全てが学費に含まれていました。
- 学習プラットフォーム利用料(テキストやビデオ、コミュニケーションツールなど)
- アセスメント(科目ごとの試験)
- テクニカルサポート
- マイクロソフトアカウント(学生アカウントがもらえる)
- キャリアサービス
つまり、MBAカリキュラムの学習に必要な経費はもちろんのこと、「学生」としての身分にまつわるサポート経費も学費でカバーされていました。
5. 学費以外のコストは?
学生サービス料など
私の場合は学費以外で大学に支払ったのは、卒業証書の郵送代だけです。
(オプションで参加したサマースクール代もありますが、通常費用ではないためここでは説明を省略させてください)
一方で、スクールによっては学生サービス料などを別途請求するところもあります。
たとえば、学費の安さランキングで米国8位のMissouri State Universityでは、下記のように学費はTuition、それ以外の費用はfeeとして必要経費の内訳が示されています。
これを見ると同校では、学費のほかにサービス料とコース代が必要なことが分かります。
ここで一つ、ご注意いただきたい点があります。
上表のデータは、本記事執筆時点(2024年8月16日)での同校ウェブサイトに掲載されたもので、学費は$12,900となっています。
2.で紹介したU.S. News and World Reportランキングでの額($11,832)とは異なっています。
U.S. News and World Reportのランキングは、2024年2月7日時点での集計とされていますので、おそらくその後、学費の改定があったと推測されます。
このように各校の学費や各種費用は時折、更新されます。
興味のあるスクールについては、最新の公式データをご確認なさってください。
ハイブリッドMBAでの追加コスト
さて、ここまではスクールに支払う費用をご紹介しました。
フルリモートの場合は、これら以外にコストがかかることは基本的にありません。
フルリモートとハイブリッドの違いについては、こちらをご参照ください。
一方、リモート&対面の「ハイブリッドMBA」の場合は、追加コストが必要となってきます。
ハイブリッドMBAでは、Immersion、Residencyと呼ばれる対面アクティビティがカリキュラムに組み込まれています。
頻度はターム毎に1回、1年に1回などスクールによって様々ですが、その度に渡航してキャンパス講義に参加することになります。
それに伴い、下記コストが発生します。
- スクールまでの交通費(渡航費、現地での移動費など)
- 滞在中の食費、生活費(宿泊費、光熱費など)
確実な資金計画のためにも、ハイブリッドMBAを志望なさる方は、対面アクティビティについて早めに情報収集しておくことをお勧めします。
6. 学費の支払い
支払い時期
学費の支払い時期は、年度やタームごと、科目ごと、などスクールによって異なります。
たとえば、英国で最も安いHull の場合、一括払いか6回の分割払いが選べます。
支払い手段
支払い手段については、幾つかのオプションを用意してくれているスクールがほとんどです。
Hull Universityの場合は、以下の3つがあります。
私の場合、年度ごとのオンライン決済を選択しました。
常用のカードだと限度額を超えてしまうため、滅多に使わないカードを引っ張り出してきて、無事、決済できました。
当時の私にとっては過去最高額の決済だったので、支払ボタンを押すときはかなりドキドキしたのを覚えています…。
学費とその支払いに関する詳しい説明は、各校の”Fees ans Funding”、 “Tuition”といったページで見つけることが出来ます。
スクール選び、学習計画にも影響するので、早めに調べておかれることをお勧めします。

また海外オンラインMBAでは、私たちのような国外学生も対象となる奨学金や学費援助制度があります。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
7. まとめ
この記事では、学費の安いオンラインMBAトップ10(アメリカ、イギリス)についてご紹介しました。
学費に含まれるコスト、学費以外に係るコスト、支払い方法についても実例を共有させて頂いているので、ご参考になれば嬉しいです。
どのスクールでも学費は適宜変更されます。気になるスクールについては常に最新情報をチェックなさってください。
*本記事の内容は、あくまでも執筆時点での筆者のリサーチに基づいています。