【海外オンラインMBA】出願前に知っておくべき8つのポイント 

MBA出願

人材のグローバル化が叫ばれる中、海外オンラインMBAに挑戦する方が増えています。

ただ出願などについての、実用的な情報は日本語ではまだまだ少ないですよね。私自身も苦労しました!

その経験を踏まえ、出願前に知っておくと便利な日本と大きく違う8つのポイントを、実例を交えてご紹介したいと思います。

知っておけば効率よく出願可能

私自身、以下のような状況でしたので、事前リサーチは完全に自力でした。

  • 海外在住経験なし
  • 身近にMBAホルダーがいない
  • 予備校やコンサルタントに頼る資金的余裕なし

仕事と家事に追われ、今、思っても準備が不十分だったと思います。

その反省を踏まえ、日本と海外とのギャップを中心に、私自身が「事前に知っておきたかった」という思う8つのポイントを共有させて頂きます。

この記事がこれから挑戦される方々の効率的な準備の一助となれば幸いです。

では早速一つ目のポイントから…。

ポイント1 問い合わせ対応に積極的

積極的な問い合わせ対応

有難いことに海外のビジネススクールは、志願者からの問い合わせを歓迎する文化が定着しています。

様々なアクセスチャネルを用意して、志願者が自分のニーズに合ったツールでコンタクトしやすいようにしています。

たとえば下記はSeattle Universityですが、メール、電話、SNS、Youtube、Chatbotがありますね。

“Schedule a Call”という青いボタンを押すと、スクール担当者に電話相談できる日時を簡単に設定できるようになっています。

出所:Online MBA for global leaders | Seattle U

ポイント2 オンラインで完結

専用ポータルから出願 わずらわしさは一切なし

海外オンラインMBAの出願は、すべてオンラインで行います。

紙書類の記入、受験料納付書や顔写真の貼付、そして書留による郵送…。

これらは一切不要です。

実際のポータル画面

ではどうやって出願するのでしょうか?

どのスクールにも、出願専用のポータルサイトが用意されています。

これはDelaware Universityの出願ポータルですが、ここで一切の手続きが完了します。

出所:Admissions | How to Apply | University of Delaware Online (udel.edu)

登録も簡単。

メールアドレス、氏名、生年月日を入力するだけで、自分専用のページが開設されます。

ポータルサイトの中身は、たとえば以下のような感じです。

出所:Admissions | How to Apply | University of Delaware Online (udel.edu)

上記は職務経歴情報を提出する画面です。

一度で出願完了する必要はなく、何度でもログインし、少しずつ必要情報を完成させていけばOKです。

ダッシュボードで進捗が一目でわかりますし、書類に不備があっても差し替えが簡単です。

仕事やプライベートの合間に自分のペースで作業できるので、とても助かります。

分からなければ遠慮なく質問

記入方法の詳細が分からなければ、遠慮なくスクールに質問することをお勧めします。

ポイント1でもご紹介したとおり、どのスクールでも志願者からの問い合わせにはウェルカムです。

ポータル上でスタッフとメールをやりとりできるスクールもあります。

上記のDelawareの場合は、記入の仕方を説明した動画を用意しています。

右の写真のフレンドリーな女性が、一つ一つのポイントをわかりやすく教えてくれます。

出所:Admissions | How to Apply | University of Delaware Online (udel.edu)

ポイント3 個別サポートあり

積極的な志願者ケア

何らかの形でスクールにコンタクトすれば、すぐにAdmission Advisor、Enrollment Consultant、Student Reqruiterと言った肩書のスタッフから連絡があるスクールが殆どだと思います。

彼らの役割は、潜在的な志願者を実際の出願まで導くことです。

質問内容に応じて、詳しいスタッフに繋いでくれたり、MBA Webinar (ライブ/録画)や在学生とのChatを勧めてくれることもあります。

担当者の対応はスクール選別の指標にも

日本の大学の事務的な対応とは全く違い、海外スクールでは志願者を潜在顧客としてケアしてくれます。

もし何度か問い合わせても返事が全く来ないスクールがあれば、あなたはそのスクールの顧客対象ではないのかもしれません。

MBAに限らずですが、オンライン受講の命綱は、スクールとのコミュニケーションです。

私自身の経験から申し上げても、レスポンスが滞ると相当なストレスと焦りに繋がります。

私自身は、こうしたレスポンスの早さや丁寧さを、スクール選びの指標の一つとしていました。

ポイント4 事前の書類チェックあり

出願前のPre-review

次にPre-reviewについてご説明します。

これは、正式出願前に申請書類(経歴書)をチェックしてくれる任意のプロセスです。合理的に手続きを進めるための「スクリーニング」の機能と言えます。

たとえば、あるスクールでは以下のような感じで、Pre-reviewを提案してくれます。 

Dear XXXXX,

Thank you for downloading our Global Part-time MBA brochure. If you have any questions about our MBA please do email xxxx@xxxxxxxxx and our colleague in the MBA Marketing & Recruitment team will get back to you personally.

If you would like some informal feedback on your eligibility, please send us a copy of your CV and a member of the team can arrange a personal consultation.

Kind regards,

Cxxxx Hxxxx
Head of MBA Marketing & Recruitment

University of Bradfordのように、アプリで簡単にCV review面談を依頼できるケースもあります。

出所:University of Bradford

フィードバックを出願に活かす

Pre-reviewでは、スクール目線での改善点を教えてもらうことが出来ます。

問題がない場合は、”We confirm that you’re eligible”というあっさりしたフィードバックになることもありますが、これだけでもとても心強いものです。

あくまでも「インフォーマル」なレビューなので、決まりごとはありません。

従って、たとえば面談や電話でのフィードバックに苦手意識があれば、「フィードバックはメールにしてほしい」と頼めばOKです。

また先方からPre-reviewの申し出がない場合は、こちらからお願いしたって構いません。

是非、Pre-reviewを積極的に活用してみてください。

ポイント5 募集は年に数回あり

募集回数はスクールによって違う

海外オンラインMBAは、たいてい年2回、多いところでは5~6回の募集があります。

つまり、仕事やプライベートに合わせて、出願時期を選べるのです。

たとえばUniversity of Liverpoolでは、2023-2024のシーズンに5回の募集を行いました。

出所:https://online.liverpool.ac.uk/programmes/mba/

Rolling Admissionといって、特に募集時期を設定せず、年中、出願を受け付けているスクールもあります。

また締切も、日本のように厳格ではない場合も多く、「締切後でも定員に空きがあれば受け付けます」と明記しているスクールもあります。

ポイント6 入学オファーは先着順

合格通知ではなく、オファー

提出書類がスクールの基準を満たし、晴れて合格となった場合、スクールからは入学オファーが届きます。

これは、London School of Businessのメール形式の入学オファーです。

出所:https://www.slideshare.net/madnanbezri/mba-offer-letter-payment-plan

機能としては日本の「合格通知」と同じですが、「オファー」と呼ばれると「出願者の意向を尊重する」というスタンスが強調されて、何となく気持ちが良いですね。

first-come first-served

以下のように修正すると、より自然で読みやすい文章になります。


驚かれる方もいるかもしれませんが、実はこのオファーは先着順で決まります。

英語では「first-come, first-served」と表現されます。

出願書類は到着した順に審査され、締め切り前であっても、基準を満たした出願者にはオファーが出されます。

ただし、定員に達した時点で受付は終了します。

つまり、早めに出願することでオファーをもらえる可能性が高くなるということです。

オファーまでの期間

また、日本のように一斉に合格発表というわけではないため、合否の分かるタイミングは出願者ごとに違います。

出願完了からオファーまでにどのくらい日数がかかるかは、スクールに問い合わせると答えてくれます。

出願者の多寡や時期にもよりますが、オファーまでは2~3週間とするスクールが多いようです。

Accept または Declineを伝える

入学オファーをもらった場合、速やかにAcceptかDeclineの回答をする必要があります。

オンライン上でoffer letterにデジタル署名したり、Acceptance formを記入したりするなどの方法があります。

ポイント7 デポジット(前金)制度あり

デポジット(前金)によるオファーのキープ

オファーを受けるとついホッと一息ついてしまいますが、多くのスクールでは、オファー後、デポジットと呼ばれる前金の支払いが要求されます。

これによって、オファーをキープしてもらえるのです。

逆にデポジットを払わなければ、オファーはキャンセルされます。

たとえばUniversity of Edinburghは、28日以内に1500ポンドを支払うことで、オファーを維持できます。

Applicants receiving an offer of admission, either conditional or unconditional, will be asked to pay a deposit of £1,500 within 28 days of the initial offer to secure your place on the programme.

出所:https://www.business-school.ed.ac.uk/mba/online/fees-living-expenses

額、期限、返金可否は各校で違う

デポジットは、額も支払期限もスクールごとに異なり、取り扱いも「返金可」「返金不可」「学費に充当」など、バラバラです。

支払い手段には、クレジット払いや銀行送金などから任意の方法を選べます。

詳細は、入学オファーに記載されているとはいうものの、額や期限については、事前に確認しておいた方が良いでしょう。

特に複数校に出願する場合などは、スクール選定や出願タイミングをしっかり計画して、できるだけコストをかけない工夫をなさってください。

ポイント8 高い合格率

合格率は90%以上?

さて察しの良い方ならお気づきかもしれませんが、実はオンラインMBAは意外と「広き門」です。

合格率が90%を超えることはざらで、たまに100%のスクールもあります。

たとえば、MBAランキングで有名なFotuneが発表している「ベストオンラインMBA」を見てみましょう。

出所:Best Online MBA Programs – No GMAT/GRE Required | Fortune

ここでは62校のオンラインMBAが紹介されていますが、そのうち合格率90%を超えているのは20校以上あります。

下記は5位のUniversity of Iowaですが、Acceptance rateを見ると「91%」となっていますね。

出所:Best Online MBA Programs – No GMAT/GRE Required | Fortune

オンラインMBAは、教室などの物理的な設備を必要としないバーチャルプログラムだけに、多数の学生を受け入れることができます。

従って、どのスクールも「出願者を落としてやろう」というスタンスではありません。

この点は是非、頭に入れておかれると良いかと思います。

まとめ

この記事では、海外オンラインMBA出願につき、日本と大きく異なるポイントを8つご紹介しました。是非、実際のスクール選びや出願に役立ててください。

 ポイント1 問合せはウェルカム
 ポイント2 オンラインで完結
 ポイント3 個別サポートあり
 ポイント4 事前の書類チェックあり
 ポイント5 募集は年に複数回
 ポイント6 合格は先着順
 ポイント7 デポジット(前金)でオファーをキープ 
 ポイント8 高い合格率

*本記事の内容は、あくまでも執筆時点での筆者のリサーチに基づいています。各校の最新情報は必ず、スクールのウェブサイトでチェックなさってください。