【海外MBA出願】成績証明書(トランスクリプト)入手 注意しておきたいこと

MBA出願

海外のMBAプログラムへの出願準備で避けて通れないのが、成績証明書(トランスクリプト)の取得です。日本の大学を卒業してから時間が経っている方や、海外在住の方にとっては、この手続きが意外と悩ましいものです。

本記事では、海外MBA出願に必要な成績証明書の申込方法を、ステップバイステップで解説します。大学によって若干の違いはありますが、基本的な流れや注意点を押さえることで、スムーズに手続きを進められるはずです。

厳封の必要性や、海外在住者の特殊なケース、さらには改姓した場合の対応まで、幅広くカバーしています。この記事を参考に、MBA出願の重要な一歩を確実に踏み出しましょう!

1. 申込手順の確認

成績証明書(トランスクリプト)の入手は、MBA出願の重要な一歩です。

下記のいずれかの方法で出身大学にアクセスし、成績証明書の申込手順を確認なさって下さい。

  1. 大学のウェブサイトで「卒業生向け証明書発行」ページを確認(下記は早稲田大学のポータル)
  2. 1.のようなページが見つからない場合は、出身学部の窓口に問い合わせ
出所:早稲田大学卒業生向け証明書発行ポータル

2. 申込方法

成績証明書の申込方法には、下記の3つがあります。

  1. 学部窓口での対面申込、郵送申込
  2. オンライン申込
  3. メール、電話、FAXでの申込は一般的に受け付けられない

オンライン申込が可能なのは私立大学に多く、国公立では専ら対面か郵送での申し込みとなります。

ただ対面で申し込んでもその場で発行してもらえるわけではなく、改めて再訪するか、郵送で受領することになります。

  • 対面で申し込んでも即時発行はされない

3. 申込書の記載

いずれの申込方法でも、卒業年度や学籍番号(記憶していれば)、証明書の必要通数、和文/英文の区別などの情報を伝える必要があります。

自己確認用や不測の事態に備えて余分の通数を申し込んでおかれることをお勧めします。

多くの場合、「証明書申込書」や「交付願」といった様式が大学ウェブサイトからダウンロードできます。

定型様式が無い場合は、任意の様式で必要情報を大学側に伝えましょう。

出所:北海道大学理学部ウェブサイト
  • 自己確認用や不測の事態に備えて余分の通数を申し込んでおくのがお勧め

・厳封

MBA出願では、成績証明書は厳封されている必要があります。

厳封とは下図のように、封函部に封印し、開封の有無が一目で分かるように厳重に封をすることです。

発行大学によって厳封の対応は異なるため、申し込みの段階で「厳封が必要」と伝えておくことがお勧めです。

出所:関西大学ウェブサイト

申し込みの段階で「厳封が必要」と伝えておく

・スクールへの直送

また多くの場合、発行大学から提出先の海外スクールへ成績証明書を直送してもらう必要があります。

郵送先のスクール住所を申込書に記載し、追跡可能な国際郵便(EMS、DHL、FedEX)などを利用してもらうと安心です。

この場合、梱包や送料についてしっかりと相談する必要があります。

とは言え残念ながら「海外直送はできない」という大学も多く、その場合は

  • 提出先のスクールに事情を説明し、許可をもらった上で、自分で発送する
  • 大学の許可を得た上で、発送元を大学として、大学の代わりに自分で発送する

といった対策をとることになります。

直送してくれる場合でも、「運送中の事故について大学は免責される」といった確認文書が求められるケースもあります。

いずれにしても交渉には手間がかかりますので、時間の余裕を持っておかれることをお勧めします。

  • 海外直送の場合は、梱包や送料について発行大学としっかりと相談する
  • 追跡可能な国際郵便(EMS、DHL、FedEXを利用する
  • 直送対応は時間がかかるので、余裕を持って対応する

4. 窓口申込の場合

窓口申し込みの場合は、以下のような流れになります。

  1. 窓口受付時間内に訪問
  2. 証明書申込書を提出
  3. 本人確認書類(運転免許証、パスポート、マイナンバーカード)を提示
  4. 発行日以降に再訪問、または郵送にて受領

前述の通り、窓口で申し込んでも即日発行してくれるわけではありませんので、ご注意ください。

5. 郵送申込の場合

郵送申込の場合は、下記を大学担当部署に送付しますが、「成績証明書交付依頼在中」と朱書きしておくことをお勧めします。

  • 証明書申込書
  • 本人確認書類のコピー
  • 手数料の支払いを証する書類(有償の場合)

海外直送の取り扱いについては、前述の通り、大学と個別に相談して判断する必要があります。

自分宛に送付してもらう場合は、下記も必要です。

  • 返送用封筒(返送先の住所・氏名を記載)
  • 返送用切手(封筒に貼付)

返送用封筒のサイズは、 長形3号(A4三つ折り用)または角形2号(A4を折らずに封入)が一般的です。

送付封筒表面には、「成績証明書交付依頼在中」と朱書きしておく

6. 発行手数料

手数料は大学によって異なり、例を挙げると、

  • 慶應大学など:500円
  • 横浜国立大学など:1000円
  • 東京大学、北海道大学など:無料

といった感じです。

支払方法は銀行振込、クレジット決済、Paypayなど様々です。

大学によっては、支払を証す書類を申込書と共に送付する必要があります。

7. 発行に要する期間

成績証明書の発行には通常、数日~1週間程度はかかります。

海外への郵送の場合は、さらに時間がかかります。

日程の余裕を持って申し込むことをお勧めします。

発行に要する日数は数日~1週間。海外なら更に日数が必要→日程の余裕をみておく

8. 特別なケース

・海外在住者の場合

海外在住者の場合、国内在住の家族や知人による代理人による申し込みというケースがあります。

その際は以下の書類が必要となります。

  • 委任状
  • 代理人の本人確認書類

委任状はたとえば下記のような様式となります。詳しくは発行大学に確認なさって下さい。

出所:横浜国立大学ウェブサイト

代理人が申し込む場合は、委任状が必要

・改姓名した場合

また婚姻などで改姓名した場合は、以下の書類を提出すれば、新しい姓名で証明書を発行してくれる大学もあります。

  • 戸籍謄本(または抄本)
  • 改姓名届

私の場合は、不注意にも旧姓のままの成績証明書をそのまま海外スクールに提出してしまい、かなり余分な手間がかかってしまいました。

私のような失敗を避けるためにも、出願書類については細心の注意を払って準備するようになさって下さい。

改姓した場合は戸籍と共に「改正届」を提出する

取得から提出までの一連の流れについては、こちらの記事をご覧ください。

9. まとめ

成績証明書入手のポイントをざっくりまとめると、以下の通りとなります。

  • 大学のウェブサイトで手順を確認するか、学部窓口に問い合わせる
  • 申込方法は対面またはオンラインが一般的
  • 厳封&スクールへの直送については大学と要相談
  • 発行手数料は大学により異なり、無料から1000円程度
  • 発行期間は数日~1週間程度(海外直送はさらに時間がかかる)
  • 海外在住者は代理人請求が必要な場合あり
  • 改姓名した場合は、戸籍謄本(抄本)と改姓名届を提出

成績証明書の入手後には、GPA確認、スクールへの提出といった手続きが待っています。

是非、スケジュールに余裕を持って申込なさってください。!

*本記事は執筆時点での筆者のリサーチに基づいています。最新情報は各校ウェブサイトでご確認ください。