海外オンラインMBAへの出願では、全ての手続きを出願専用のポータルサイトから行います。
出願ポータルサイトの使い方を理解していれば、出願への心理的負担がぐっと減ります。
この記事では実際のポータルの画像を使って分かりやすく説明しますので、アカウント作成から最終出願までの一連の手続きがさくっとわかります。

出願専用ポータルサイトって?
出願手続に特化したウェブサイト
出願専用ポータルサイトとは、出願手続きの全てをワンストップで行えるオンラインサイトです。
MBA出願に必要な書類(大学の成績証明書、履歴書、エッセイ、英語スコア、推薦状など)はすべてこの出願ポータルサイトから提出することになります。
たとえば、University of Aberdeenの出願ポータルはこんな感じです。

ポータルのスタイルはスクールごとに若干違いますが、基本的なフォーマットは同じで、以下のようになっています。
アカウント作成→IDとPWの付与→専用ダッシュボード開設→必要事項の記載やアップロード→”Submit Application”を押下→出願完了
まずは、ダッシュボード開設までの流れを見てみましょう。
【実例】アカウント作成~ダッシュボード開設
ここでは例として、University of Delawareのポータルを使ってご説明いたします。
Apply Nowからアクセス
どのスクールでもできるだけ多くの志願者を誘導するため、ウェブサイトのあちこちに出願ポータルへのリンクがあります。
University of Delawareの場合、”Online MBA”のトップページを開くと、ヘッダー最上段に”APPLY NOW”というリンクがありますね。
ここから出願ポータルにアクセスできます。

もしくはメニューから”Admission”に進むと、ここにも”Apply Now”があります。

Online MBA以外のページでも、ポータルへのリンクを見つけることができます。
例えば様々な修士・博士課程を紹介するページにも”APPLY NOW”があります。

更には、志願者向けに入試要項を説明するページの”SUBMIT APPLICATION”からもポータルに飛ぶことができます。

アカウントの作成
どのリンクからアクセスしても、まずは以下の画面でアカウントを作成することになります。

新規登録なので、”Create an account”を選びます。
登録は、以下のようにアドレス、氏名、生年月日を入力するだけなので、とても簡単です。

”Continue”を押下すると、登録アドレスあてにPINコードが届きます。
新規出願の作成
受け取ったPINを入力し、”Start a new application”という画面に進みます。

MBAは、大学院への出願(Graduate Application)となるので、ここでは”2024 Graduate Application”を選んでみます。
これは「2024年に同校の大学院に入学を希望する」という選択肢です。
そして”Create Application”を押下すると、Application Managementという画面になります。

この画面は、複数の出願タスクを管理する画面です。
MBA以外のプログラムにも出願登録した場合は、ここに表示されますが、MBA単願の場合はこの画面を特に気にする必要はありません。
早速、作成したばかりの”2024 Graduate Application”をクリックしてみます。
するとApplication Detailsという画面が開きます。

開始日にアカウント開設日の日付が入り、ステータスが”In Progress”となっています。
これで2024年の大学院入学用の出願作業ができる状態が整いました。
ダッシュボード
そして”Open Application”を押下すると、ダッシュボードが開きます。
これがダッシュボードです。

左カラムに色々な項目が並んでいますね。各項目の概要は以下の通りです。
5、8,9には、記載にあたってのガイダンスビデオが付いています。
- Home 上述の”Application Management”画面
- Biographical information 氏名、住所などの基本情報を入力
- Program of Study プルダウンメニューから”MBA(Online)”を選択
- Term Details 入学期(ターム)を選択
- College Education History 大学の成績証明書を添付/GPA caluculatorでGPAを算出
- Employment History 履歴書を添付またはテキスト入力
- Test Waiver GMATスコアの提出可否を回答
- Test Scores 英語スコアを入力
- Recommenders 推薦者の連絡先を入力/ ”Send to Recommender”をクリックすると自動的にスクールからの推薦者にリクエストメールが送られる
- Funding 奨学金に関する質問に回答
- Essays プロンプトに答える形式でエッセイを入力
- Additional Relevant Experience コミュニティ活動などについて任意で記載
- Disciplinary History 懲戒処分に関する質問に回答
- Additional Information 使用言語や性別などを入力
- Signature 署名(正式氏名をテキスト入力)
- Review 手続きの進捗を管理する画面。書類の抜け漏れのチェックだけでなく、不備があれば差し替えや追加提出も可能
この中から「エッセイ」と「推薦状」について、どういうプロセスで提出するのかを見ていきたいと思います。
【実例】エッセイ&推薦状の提出
①Delawareのエッセイ提出
必須エッセイ
たとえば、上記Delawareのダッシュボードから、”Essays”のリンクを開くとこんな風になっています。

*同校にはAlfred Learner College of Business & Economicsというビジネススクールがあり、MBAを含むビジネス&経済系の課程はここに所属します。文中にある”UD”というのは”University of Delaware”の略です。
プロンプトに幾つかの指示が記載されていますね。
スクールやプログラムとのフィットを重視しているようですので、それに沿ったエッセイを作成し、アップロードすることになります。
任意の追加エッセイ
Delawareでは上記の必須エッセイだけでなく、任意のエッセイを追加することができます。
上記画面で”Continue”を押下すると、こんな画面になります。

必須エッセイでは書ききれない情報があればここで追記し、審査の参考にしてもらうことができます。
当てはまる項目があれば、幾つでも選択できます。例えばリーダーシップを選んでみましょう。

プロンプトに沿って、リーダーシップに関する具体的なエピソードを記載することになります。
45+歳世代だと豊富な業務経験があり、追加できる情報も色々あると思います。
是非、こういった機能を活用してアピールなさってはいかがでしょうか?
②Aberdeenの推薦状提出
さて、次は推薦状をみていきましょう。
Delawareの場合、9.Recommenderに推薦者のアドレスを登録し、推薦者アカウントから推薦状を送付する形式になっています。
ここでは出願者本人が推薦状を登録するケースとして、最初にご紹介したUniversity of Aberdeenでご説明します。

左側のカラムをご覧頂くと分かる通り、Aberdeenでは、エッセイや推薦状といった書類ごとのリンクはありません。
その代わり、書類提出は”Supporting Document”というページにまとめられています。
推薦状(同校では”Reference”)は、赤丸の欄から提出します。
ちなみにエッセイ(同校では”Personal Statement”)も、Delawareのようなプロンプトはなく、任意のテーマで書いたファイルをアップロードするようになっています。
【実例】出願
こうして一つ一つ書類を提出(または情報入力)したら、いよいよ最後は「出願(Submit Application)」です。
Aberdeenでは以下のような画面となります。
全書類を提出できた状態であれば、画面下部に”SUBMIT APPLICATION”というボタンが現れます(下記は未提出の画面なので、当該ボタンの表示はありません)。

事前に管理画面(同校では”Summary”)で、抜け漏れや不備を確認したが、SUBMIT APPLICATIONを押下します。
Submit Applicationの押下後は、提出済みの書類の編集はできません(必要があれば、追加書類の提出は可能です)。
Aberdeenはポータルの使い方について、動画で分かりやすく説明してくれています。是非ご参考になさって下さい。

ポータル出願のポイント
ポータル出願でおさえておくべきポイントは以下の2つです。
①タイムマネジメント
②アドミッションオフィスとの密なコミュニケーション
それぞれについて、詳しく説明させてください。
①タイムマネジメント
皆様の中には私のようなド素人ではなく、海外手続きに熟練した方も大勢いらっしゃると思います。
とは言え、ご自分でコントロールできない思わぬ不備の可能性をゼロにするのは難しいのではないでしょうか?
更に45+歳世代にとって各書類を揃えるのはなかなか大変で、多くの方が忙しい日々の合間を縫って細切れ時間での出願作業になるかと思います。
そこで是非、出願手続きには1~2か月程度の期間を確保し、しっかりタイムマネジメントなさることをお勧めします。
ポータルの管理画面(スクールによって”Summary”、”Review”など呼び方は様々)を有効活用なさってください。
入学後もタイムマネジメントは極めて重要です。是非、この段階から実践なさってみてはいかがでしょうか?
②アドミッションオフィスとの密なコミュニケーション
もうひとつのポイントは、アドミッションオフィスとの密なコミュニケーションです。
何か不明点があれば、早めにアドミッションオフィスに相談することをお勧めします。
特に、45+歳世代ではあまりなじみのない「GPA」は要注意です。
Delawareでは、ポータル内にあるGPA Calculatorで、自分の大学時代の成績をGPAに変換することができます。
ポータル内にそのようなサービス機能が無い場合は、GPA変換は自分でしなければなりません。
GPA Caluculatorの科目表記が、ご自分の大学とは違っていて、Calculator機能が使えないこともあります。
同じくDelawereの例ですが、私はダッシュボードにある”Disciplinary History”という項目がどんなものかピンときませんでした。
「懲戒処分」とご説明していますが、これは同校のアドミッションオフィスに問い合わせて確認したものです。
実際に手続きを始めると、こうした細かい疑問点が幾つも出てきます。
細かいとはいえ、どれも正確な理解がなければ適切な出願ができません。
また私のように、スクール側から指摘が来て何度もやりとりを重ねるケースもあります。
日本の大学と違って、海外スクールは志願者対応に積極的です。
出願者ひとりひとりに担当者がついて、出願はもちろんのこと、入学手続完了まで伴走してくれるケースもあります。
是非担当者と仲良くなり、全面的にアドミッションオフィスを活用なさることをお勧めします。
まとめ
この記事では、オンラインMBAの出願ポータルサイトの使い方についてご説明しました。
私の不備体験を元に対応のポイントもお伝えしています。少しでもご参考になれば嬉しいです。
*本記事の内容は、あくまでも執筆時点での筆者のリサーチに基づいています。各校の最新情報は必ず、スクールのウェブサイトでチェックなさってください。
*出願ポータルへの登録は誰でも出来ますが、出願しないスクールのサイトにむやみに登録することはお控えください。