海外オンラインMBAへの出願では、第三者からの「推薦状」が必要です。
1名からの推薦でOKの場合もありますが、複数名からの推薦が必要なスクールもあります。
現職の上司から推薦状をもらえないケースもあると思います。
この記事では、推薦状の必要通数について、スクールでの実例を示しながらご説明します。

推薦状とは?
・自分以外が書く唯一の書類
推薦状は、本人の人物像を第三者が客観的に評価したものです。
オンラインMBAへの出願書類は以下の通りですが、唯一、第三者に依頼しなければならないのが「推薦状」です。
- Transcript (大学の成績証明書)
- Resume (履歴書)
- Statement of Purpose (出願エッセイ)
- Letter of Recommendation(推薦状)
- English Qualification (TOEFLやIELTSのスコア)
- (必要あれば)GMAT Score(GMAT試験のスコア)
推薦者の選定ー趣旨の説明ー推薦者による執筆ー翻訳ー推薦者による確認、と入手までになかなか手間がかかります。
効率よく進めるためにも、以下でまず要件を確認したいと思います。
推薦状の要件
2つの要件
一般的に、推薦状の要件は以下の2つです。
- 必要通数:1通か2通が一般的。米国には3通求めるスクールも。
- 推薦状の要件:基本的に仕事上の関係者。現職の上司以外でもOK。
一方、推薦状に織り込むべき内容や上限語数を指定するスクールもあります。
大抵、”Admission”, ”Entry Requirements”といったページを見れば、推薦状の要件が書かれています。

・上司から推薦状がもらえない?
推薦者については、多くの場合、professional reference/contact など「仕事上の関係者」であることが求められます。
現職の上司から推薦状をもらえない、そもそも依頼さえ無理、と困っている方も多いと思いますが、ご安心ください。
「現職の上司じゃないとダメ」と規定しているスクールはありません。
色々なスクールに直接問い合わせてみましたが、どこも「現職上司の推薦状でなくてもOK」との回答でした。
私自身も、前職の関係者(しかもかなり昔の職場)に推薦状を依頼しました。
推薦状のポイントは「推薦者が本人をよく理解している」ことですので、推薦者が誰であろうと「推薦者が推薦人としてふさわしい」ことを合理的に説明すればOKです。
(ちなみにこういった説明力はMBA課程において常に必要となりますので、是非、磨いておかれることをお勧めします)
海外スクールは日本のように杓子定規な見方ではなく、ケースバイケースで非常に合理的な判断をしてくれます。
ボランティア活動や地域コミュニティでの関係者からの推薦状を提出する方もいます。
もし適切な推薦者が分からず困っているなら、直接、スクールのアドミッションオフィスへのご相談なさるのも良いかと思います。
では推薦状の要件が理解できたところで、実際のスクールの例を見てみましょう。
推薦状1通のケース
まずは推薦状が1通だけで構わないとするSt. John’s Universityを見てみましょう。
■St. John’s University

必要な推薦状は1通です。
推薦者は、仕事の関係者(professional)、大学関係者(academic)どちらでも構いません。
複数人からの多面的な意見で評価してほしいなら、任意で2通以上提出することも可能です。
もう1校見てみましょう。
■University of Southern California

「1通」と定めているものの、出願者が望むなら(つまり、強い押しの推薦状が期待できるなら)3通まで提出可能です。
いずれも仕事上の関係者に書いてもらう必要がありますが、前述の通り、現職の上司である必要はありません。
同校は、内容についても指示があり、「出願者のリーダシップ、チームワーク、分析スキル、個人としての資質について事例を具体的に書くように」としています。
このようにスクールごとに、推薦状の内容について具体的な指示がある場合もあります。
推薦状2通のケース
さて次は2通のケースの事例として、University of Conneticticutをご覧ください。
■University of Connecticut

「2通」と書かれていますが、それ以外の要件は特にありません。
仕事の関係者、アカデミア、ボランティア活動の仲間など、どんなバックグラウンドの方でも構わないので、2名の推薦者を選べばよいことになります。
もう1校見てみましょう。West Chester University of Pennsylvaniaです。
■West Chester University of Pennsylvania

同校では、少なくとも1通は仕事上の上司または同僚からの推薦状とするよう指定されています。
これも現職や直属である必要はなく、”one of your professional supervisors or colleagues”という要件に当てはまればOKです。
推薦状3通のケース
3通を要求するスクールは、米国に多くあります。
1例目はUniversity of Southern Mississippiです。
■University of Southern Mississippi

大学関係者でも仕事関係者でも構わないので、3通用意する必要があります。
注意事項として、私的な知人からの推薦状は受け付ないとの記載があります。
■Colorado State University

同校では3通全ての推薦者を仕事関係者に限っています。
推薦者には、出願者のビジネス分野でのスキルや専門性についてのインサイト(深い洞察)を提供するよう求められています。
推薦状不要/任意のケース
それほど多くはありませんが、推薦状の提出が任意または不要のスクールもあります。
下記に2校、ご紹介します。
まず最初はUniversity of Liverpoolで、同校の出願書類リストには推薦状が含まれていません。
■University of Liverpool

次がXavier Universityです。
同校では、推薦状の提出が任意(optional)となっています。
審査に有利になると考えるならば提出しても差し支えありません。
■Xavier University

まとめ
上記の通り、推薦状の要件はスクール毎に違い、必要通数も様々です。
しかも推薦状は入手するまでに、推薦者の選定、依頼、確認、翻訳など、かなりの手間と時間がかかります。
特に複数校を受験する場合は、早めに段取りを考えておかれた方が良いでしょう。
*本記事の内容は、あくまでも執筆時点での筆者のリサーチに基づいています。各校の最新情報は必ず、スクールのウェブサイトでチェックなさってください。