オンラインMBA出願では、職場の上司などからの「推薦状」を提出しなければなりません。
提出はオンラインで行うのですが、提出パターンは2つあります。
①推薦者が提出する
②出願者が提出する
①と②では、推薦状の作成プロセスが大きく違います。
この記事では、それぞれの場合について実例を使って説明します。

オンラインMBAの出願手続き
オンラインMBAの出願手続きはフルオンラインで、必要書類は出願ポータルにアップロードすることになります。
出願書類の中でも、推薦状は、出願者の人物評価というセンシティブな情報です。
出願者が推薦状の中身を見れる状況だと、推薦者が率直な意見を記載しにくいことも考えられます。
そこで他の書類とは別に、推薦状だけを推薦者から直送を求めるスクールが多いです。
まずはこのパターンについてご説明します。
パターン1 推薦者が提出
その手順は、以下の通りです。
- 出願者がスクールの出願ポータルに自身のアカウントを作成する
- 出願者がポータル上に、推薦者の連絡先を登録する
- スクールから直接、推薦者あてにコンタクトがある
- スクールからの指示に従って、推薦者が推薦状を提出する
以下では、University of Massachusettsの実例を使って、ひとつひとつ説明します。
①出願者がアカウント作成
出願ポータルへのアカウントの作成は非常に簡単です。

ダッシュボードはこんな感じで、”References”が推薦状のページです。

②推薦者の連絡先を登録
上記画面で”Add reference”をクリックすると、下記ポップアップが現れますので、推薦者の情報を入力します。

ポップアップ下段は以下のようになっています。

ここでは、3つの情報を入力します。
- 出願者の氏名表記の確認:推薦者へのメールにて、自分の氏名表記を変更したい場合(たとえば、氏名以外に会社名を追記するなど)は、ここで登録します。
- 推薦状閲覧権利の放棄:米国では、学生が自分の教育記録を確認する権利が広く認められており、推薦状の閲覧権も保護されています。そこで、その閲覧権を放棄するかどうかをここで答えるようになっています。一般的には、放棄する方がスクールへの心証が良いとされています。
- 署名:推薦状に手書きで署名する代わりに、正式な氏名をテキスト入力します。
③スクールから推薦者への直接連絡
上記登録を済ませると、スクールから推薦者に直接連絡があります。
このタイミングは各校様々ですが、University of Massachusettsの場合は、登録後すぐにメールが届きます。
メール本文は以下のような感じです。
XXXXXX is applying for admission to the Management (M.B.A. Online) graduate program at the University of Massachusetts Amherst and has listed you as a reference.
The applicant has waived their right of access to see your responses.
For your convenience, we offer access to complete your recommendation online through our secure website. To submit your recommendation, please use the link below.
Submit Recommendation: XXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXXThis link is unique to this recommendation and should not be shared or forwarded.
A timely response is important for this applicant to be favorably considered. Please be aware that the applicant’s admission could be contingent upon your prompt response.
Thank you for your time and consideration.
④推薦者が推薦状を提出
推薦者が上記に示されたリンクにアクセスすると、推薦者用のページが開きます。

記載すべき項目は以下の通りです。
- Reference Type (職場の関係者/アカデミア)
- Strength of Recommendation (「強く推薦する」~「推薦しない」の4択)
- Ranking(各種スキルや能力についての相対的な6段階評価)

推薦状自体は、ファイルをアップロードするか、フォーム内にテキスト入力します。

推薦者が推薦状を提出すると、出願者のアカウントにも反映され、「推薦状提出」というタスクの進捗が分かるようになっています。
問題 推薦者の負担が大きい
このパターンでは、スクールから推薦者への指示内容は出願者には知らされず、推薦状提出に出願者は関与しません。
スクールと推薦者が直接やりとりするので、日本語ネイティブの推薦者の負担はかなり大きくなります。
スクールごとに指示内容が異なるため、複数校への推薦状提出は更に大変です。
アドミッションオフィスに問い合わせれば、可能な範囲で相談にのってくれると思います。
以下の記事も参考になさってください。
パターン2 出願者が提出
スクールによっては、出願者からの提出を認めています。
英国University of AberdeenのAberdeenでは、出願者からの提出は2つのルートで可能です。
”Referee Details”からの提出
まず出願ポータルにアカウントを作成すると、下記のような個人用のダッシュボードが作られます。

1つ目のルートは、”Referee Details”という推薦者情報を登録するページです。
ここで推薦者のメールアドレスなどを入力していくのですが、最後に”Reference”という欄があります。
ここに出願者本人が推薦状をアップロードすることができます。

”Supporting Documents”からの提出
もうひとつのルートは、”Supporting Documents”です。
ここは出願書類一式を登録するページで、レジュメやエッセイと並んで推薦状の欄もあります。
ここからも出願者本人が推薦状をアップロードできます。

Aberdeen ではどちらのルートでも、推薦者に対してスクールがコンタクトすることはなく、推薦者の負担はかなり少なくなります。
例外)ポータル以外からの提出
例外的なパターンとして、推薦者がポータルからの提出を望まない場合があります。
そこで多くのスクールが、推薦状だけはメールや郵送での提出も受け付けています。
メールの場合は、推薦者のアドレスからの送付が求められるケースが多いでしょう。
郵送ならば、推薦者の所属企業のレターヘッドを使用し、名刺も添付するなどの条件を付けるスクールもあります。
まとめ
以上のように、推薦状の提出はスクールによって違います。
推薦状は他人に作成してもらう書類ですので、依頼~提出までにかなり神経を使いますし、時間もかかります。
出願不備を防ぐため、志望校の提出パターンを事前にしっかり確認し、依頼時に推薦者にきちんと説明なさることをお勧めします。
この記事でお伝えしたこと
MBAの推薦状は、①推薦者が提出、②出願者が提出、の2パターンがある。
出願校の提出方法を事前に調べ、依頼時に推薦者に説明しておくことが重要
*本記事の内容は、あくまでも執筆時点での筆者のリサーチに基づいています。各校の最新情報は必ず、スクールのウェブサイトでチェックなさってください。