「海外MBAなんて、英語がペラペラじゃないと無理」と思い込んでいる方も多いのではないでしょうか?
私もそう思っていました。
ところが、オンラインMBAならそこまで英語が話せなくても大丈夫です。
その理由は3つあります。
それぞれについて以下で詳しくご説明したいと思います。

喋れなくても英国MBA
私はオンラインでUniversity of LeicesterのMBAを取得しました。
でも正直なところ、それほど英語は喋れません。
ビジネス会話は何とかなりますが、ナチュラルスピードの会話にはどうしてもついていけません。
特にネイティブ集団での雑談では、ずっと聞き役になってしまいます。

そんな私でもMBAプログラムをやり切れたのは、下記3つの理由があったからです。
- オンラインMBAは「会話」より「文字」
- オンラインMBAは非ネイティブに寛容
- 大事なのは「中身」
以下でひとつひとつ説明したいと思います。
理由①「会話」より「文字」
英語がぺらぺらじゃなくても大丈夫といえる最初の理由は、
オンラインMBAでは話す力はそれほど必要ではない
という事です。
オンラインMBAは「文字」がメインだからです。
必要性の高い順に言うと、読む>書く>聞く>話す となります。

重視されるのは圧倒的に「読む」、次が「書く」。
もちろん「聞く」「話す」も必要ですが、経験上、学びを左右するほどではないと思います。
なので、英語が喋れないからと言うだけで尻込みする必要はありません。
・「話す」は低スコアでもOK
「でも入学には、IELTSやTOEFLでSpeakingが必要じゃないか?」
と思う方もいらっしゃるかもしれません。
実は、Speakingについては低めのスコアでもOKというスクールも珍しくないのです。
たとえばOxford Brookes Universityでは、下記のようにIELTSスコアの下限を設定しています。
Overall Score | 6.5 |
Reading Score | 6.0 |
Writing Score | 6.0 |
Speaking Score | 条件なし |
Listening Score | 条件なし |
「読む」「書く」には下限がありますが、「聴く」「話す」には設定がありません。
多少、会話が苦手でも他の能力が十分であれば採りたいというスクールの意図が読み取れます。

理由② 非ネイティブの英語に寛容
そして2つ目の理由は、
オンラインMBAは非ネイティブの英語に寛容
ということです。
これは入学してみて強く実感しました。
・超多国籍なオンラインMBA
オンラインMBAは、学費がリーズナブルで地理的な制約もありません。
なので、世界中から様々なバックグラウンドのWorking Professionalが参加します。
学生の多様性は、フルタイムMBA(通学型)より遥かに高く、特に欧州スクールは超多国籍です。
たとえば、オンラインMBAランキング1位のIE Business School(スペイン)では、140か国以上の学生が学んでいます。
・非ネイティブの英語に寛容
…となると当然、私のようにそれほど英語が上手くない非ネイティブも沢山紛れ込みます。
グループ議論では様々なアクセントの英語が飛び交いますので、必然的に誰しもが「多様な英語」への耐性がつき、寛容にならざるを得ません。
ちなみに教える側にも非ネイティブの方は多く、講義の初めに「僕の英語は聞き取りにくいよ」と警告?する先生もいたくらいです。
アメリカの場合
ちなみにアメリカでは、たとえオンラインでも国内学生の比率が高くなっています。
下記はFinancial TimesのオンラインMBAランキングですが、米国の2校は海外学生比率が6%となっています。
国内に多様な学生が十分数いるのがその理由だと思われます。

国内学生と言ってもその出身地は様々だと思いますが、少なくとも英語の堪能度は国外在住者より相当高いと思います。
このファクトは私がアメリカのMBAを避け、イギリスのスクールを志望した理由の一つでもあります。
理由③大事なのは「中身」
・ペラペラよりも中身のある話
「英語が喋れなくてもOK」という最後の理由は…。
「ペラペラ話す」よりも「話す中身」の方が遥かに大切だからです。

・拙くても何とか伝わる
もちろん流暢なほうが伝わりやすいです。
ただMBAでは常に、「あなたはどう考えるか?」「それはどういう風にユニークなのか?」と問われます。
あなた独自のインサイトをグループに共有し、メンバーに新たな気付きを与えることに価値があるのです。
多少モタモタしても、たとえ拙くても「このユニークなインサイトを伝えたい」という思いで話せば、何とか理解してもらえると思います。
なぜなら、他の学生はあなたのインサイトから何かを学ぼうと、頑張って理解に努めてくれるからです。
特に日本人学生はレアなので、日本のpracticeについてはみんな聞きたがります。
・「中身」の充実には努力が必要
ただ語学力に頼れない分、話の内容で勝負。
あらゆることにアンテナを張り、自分なりの見方を構築するたゆまぬ努力が必要だと思います。
グローバルトレンドはもちろんのこと、海外から見た日本という軸で国内を見つめてみることも有用だと思います。

私の場合
・IELTSスコア
前述の通り私の英会話力は、軽い会話は出来ても、ネイティブ集団の高速会話にはついていけないといったレベルでした。
下記は私のILETSスコアです。

Listening 7.0, Reading 7.5, Writing 6.0, Speaking 5.0で、入学要件ぎりぎりのOverall Band Score 6.5。
Readingの7.5でSpeakingの低さをカバーし、何とか入学できたのです。
・今でも努力中
入学後は、グループワークや担当講師とのビデオ会議で「もっと話せたらいいのに!」と情けなく思う場面は何度もありましたが、だからといって単位を落としたりといったことはありませんでした。
私のクラスは日本人が私だけとレア度が高く、日本の話題というだけで価値ある内容として受け入れてもらえたのはラッキーでした。
ただ「イギリスのMBAを持ってる割に、意外と話せないんだね」と言われると恥ずかしいので、今でも日々シャドーイングなどの努力は続けています。
まとめ
英語の基礎能力があるのに「英語が話せない」というだけの理由で海外MBAに尻込みするのはあまりに勿体ないです。
入学要件を満たす英語力があるなら、是非、思い切って挑戦なさってはいかがでしょうか?
*本記事の内容は、あくまでも執筆時点での筆者のリサーチに基づいています。各校の最新情報は必ず、スクールのウェブサイトでチェックなさってください。