「海外MBAをオンラインで取得したい!でも英語力が足りるか心配」…と言う方、多いと思います。
まさに私もそうだったので、気持ちがよく分かります。
この記事では、海外オンラインMBAに必要な英語スコアについてデータに基づいて詳しくご説明します。
海外経験ゼロで英国MBAを取得した私の英語スコアも公開させて頂きます。
少しでも皆様のご参考になれば嬉しいです。

1. 英語は入学要件
海外MBAでは、入学要件として一定以上の英語能力を求められます。
IELTS(アイエルツ)やTOEFL(トフル)といった英語能力試験のスコアを提出して、MBAの勉強についていけることを証明する必要があるのです。
求めるスコアは、スクールによって違います。
・欧米100校以上をリサーチ
そこで欧米100校以上のオンラインMBAについて、入学要件の英語スコアをリサーチしてみました。
オンラインMBAを提供しているスクールは無数にあり、その教育の質はピンキリです。
せっかくなら一定の質が担保されたスクールについてご紹介したいと思いますので、今回は国際認証を取得したスクールのみをリサーチ対象としています。
IELTSとTOEFL、それぞれのスコアやレベル感を以下で詳しくご紹介していきます。
2. IELTS(アイエルツ)
・イギリスの団体が運営
IELTSはイギリスの団体が実施している試験です。
MBA出願者などが受ける”Academic”と、移住や永住権申請のための”General”という二つのタイプがあります。
4技能(読む/書く/聴く/話す)ごとのスコアと、それらを平均したOverall Band Scoreがあり、それぞれ0.5刻み(1.0-9.0)で示されます。
・下限スコアは6.0
今回リサーチした限りでは、要求されるスコアの下限は
Overall 6.0
ただ、たとえばGeorge Washington Universityのように
IELTS: Score of 6.0 overall with no individual score below 5.0.
といった制限を設けるスクールもあります。

・最も多いのは6.5
最も多いのは「6.5以上」とするスクール。
たとえば、University of Texas at Dallas、University of Southern Indiana、University of Birmingham、Aston Universityなど沢山あります。
・具体的なレベル感は?
ではIELTS 6.0-6.5というのは、具体的にどのくらいの能力レベルなのでしょうか?
IELTS 6.0 – 6.5
- The test taker has an effective command of the language despite some inaccuracies, inappropriate usage and misunderstandings.
- They can use and understand reasonably complex language, particularly in familiar situations.
出所:IELTSウェブサイトを元に筆者作成
自分自身の体験も含めて、ものすごくざっくりいえば
多少の間違いはあっても、一応、英語で用が足せる
という感じです。
IELTSについては、のちほど実際の私のスコアを元に、もう少しご説明させて頂こうと思います。
3. TOEFL(トフル)
・アメリカの団体が運営
さて、TOEFLはアメリカの団体が運営しています。
IELTSとは違い、大学や大学院の留学に特化した試験です。
TOEFLのテスト形式は幾つかありますが、ポピュラーなのは、コンピュータを使って回答するiBT(Internet Based Test)です。
iBTは4スキルを各30点で評価し、合計120点となります。

・下限スコアは68
今回のリサーチの限りでは、Shippensburg Universityが最も低く、「68点以上」となっています。
同校はIELTSも「6.0以上」となっており、相対的に低めの英語要件となっています。

・最も多いのは79
TOEFLの場合、最も多いのは「79点以上」とするスクールです。
Southern Utah University、University of Central Missouri、Drake University、West Virginia Universityなどです。
・具体的なレベル感は?
これはTOEFLの公式分類上、High-intermediateというレベルに該当し、求められる能力は下記のようになります。
技能 | High-intermediateに求められる能力 |
読む | understand the main ideas and important details of academic passages |
書く | understand the main ideas and important details of conversations |
聴く | able to communicate effectively on most general or familiar topics |
話す | able to write in English well on general or familiar topics |
やはりIELTSと同様、
多少の間違いはあっても、一応、英語で用が足せる
レベル感ということになります。
4. TOEICに換算すると?
・直接換算は無理
更に理解を深めて頂くために、このIELTS、TOEFLのスコアを、皆様よくおなじみのTOEICに換算してみたいと思います。
ただご存知の通り、TOEICは4技能の総合評価ではなく、「聴く」「読む」のL&Rか、「話す」「書く」のS&Wしかありません。
また、TOEICの回答は選択式ですが、IELTSやTOEFLはライティングセクションがあります。
なので、TOEICをIELTSやTOEFLと直接比較するのは難しいです。
様々なサイトを参照しましたが、TOEICと、IELTSまたはTOEFLの換算値はサイトごとにばらつきがありました。
・一旦、”CEFR”に換算
そこで少し遠回りで申し訳ありませんが、CEFRという欧州基準の指標を介して間接的に比較したいと思います。
CEFRは、英語だけでなく様々な言語の熟達度を測る「共通のものさし」です。
「その言語を使って具体的に何が出来るか」という観点で、熟達度の低い順にA1,A2, B1, B2, C1, C2に分類します。

前述の通り、オンラインMBAの英語レベルは大体、IELTS6.0~6.5、TOEFL68~79。
これを上記の表でCEFRに換算すると、B2に該当します(表内赤枠)。
・CEFRをTOEICに換算
では、CEFRでB2レベルとみなされるためには、TOEICで何点くらいとる必要があるのでしょう?
TOEIC公式ウェブサイトでの換算表では、以下のようになっています。

CEFR B2はTOEIC(L&R)で言うと、785点以上(L400点+R385)。
MBAの英語レベル(IELTS6.0~6.5、TOEFL68~79)はB2の中位~上位なので、ざっくりTOEIC800点~と考えて頂くと良いのではないでしょうか?
TOEIC800点は、洋書や英字新聞、雑誌の記事など、さまざまなジャンルの文章を抵抗なく読めるレベルと言われます。
TOEIC800点の力があり、大きなストレスなく英文を読める方なら、適切な努力でオンラインMBAの英語レベルに到達できると思います。
もちろんこれは完全に筆者の私見です。あくまでも参考程度とお考え下さい。

5. オンラインMBA経験者として
参考までに、私の英語力についても触れたいと思います。
留学などはしたことがないので、ほぼ受験英語+独学で身に付けた英語です。
それでも無事、60ページの修士論文を書き上げてUniversity of Leicesterを卒業することが出来ました。
・私のIELTSスコア
私はイギリスMBAを志望していたため、IELTSを受験しました。
下記の通り、Overall Band Scoreは6.5でした。

目標スコアが6.5だったので何とかクリアできたというものの、SpeakingとReadingで2.5も差があるのが目につきますね。
・4技能別の英語力
そして、実際の英語力はどうだったのでしょうか?4技能別にご紹介したいと思います。
Speaking(IELTSスコアは5.0)
ネイティブとの込み入った雑談はお手上げ。ひたすら相手に喋らせて、”Really?”や”Amazing!”と時々合の手を入れる手法で乗り切りました。
Listening(7.0)
ニュースや試験のナレーションなどフォーマルな英語や、1対1の会話なら何とかなるものの、ネイティブが何名かで盛り上がると、全くついていけませんでした。
Reading(7.5)
オンラインMBAの学びの基本はReading。文字を読むスピードが割と速めなのと、学生時代に単語をしっかり覚えておいたのが40代になって役立ちました。
Writing(6.0)
MBAのassingmentは基本的にエッセイです。適切なフレーズがすらすら頭に浮かんでこず、毎回うんうん唸りながら書いていた覚えがあります。
ちなみに私がIELTS用に購入したのはこちらの1冊のみ。大学生の娘もこのBarron’sで6.5をゲットしました。→Barron’s IELTS

・注力すべきはReadingとWriting
オンラインMBAで必要になる英語技能は圧倒的に読み書き、つまりReadingとWritingです。
私のスコアからもお分かりいただけるように、Speakingが悪くたって何とかなります。
単なるスコアメイクのためではなく、MBA課程全般を通して、この2技能がモノを言います。
私の場合、徹底的に多読した時期があり、Readingスキルに引っ張られるようにWritingスキルも伸びたように思います。
ReadingとWritingを集中的に磨くこと、これが海外オンラインMBAに近づく第一歩です。
6. まとめ
この記事では、海外オンラインMBAに必要な英語スコアについて、データに基づいてご説明しました、
もちろん基礎的な英語力は大前提ですが、とにかくReadingとWritingの向上に注力なさってみてください。
この記事でお伝えしたこと
オンラインMBAに必要な英語スコアは、IELTS6.5 、TOEFL79。TOEICだと800点くらい。
多少の間違いはあっても、一応、英語で用が足せるレベルが必要
注力すべきはReadingとWriting
*本記事の内容は、あくまでも執筆時点での筆者のリサーチに基づいています。各校の最新情報は必ず、スクールのウェブサイトでチェックなさってください。