日本にいたまま、グローバル経営を学べる海外オンラインMBAが人気です。
働きながら学ぶので、現収入をキープできるのが大きなメリットです。
そこで気になるのが、取得後の年収。
いったいどのくらいの年収アップが期待できるのでしょうか?
オンラインで海外MBA取得後、年収が別次元にアップした元専業主婦が、MBA前後での年収を公開しながら、年収アップのポイントについてご紹介します。

1. 海外オンラインMBA後の年収アップ
・早期の投資回収可能
海外オンラインMBAを検討中の方にとって、取得後の見込み年収は大きな関心事項だと思います。
オンラインMBAは、フルタイムMBAと比べて、年収アップの効果が出やすいと言われています。
その理由は3つあります。
- 現職を継続するので、収入源が確保できる
- 学費がフルタイムMBAよりリーズナブル
- 学費以外のコストは不要
つまり入ってくるお金をキープしつつ、出ていくお金は最小限なので、早期にマイナス分を回収し、プラスを生み出せるようになるからです。
・Financial Times(英国)のデータ
さあ、では実際にどのくらい年収がアップするのでしょうか?
まずは、オンラインMBAのランキングを発表しているFinancial Times(FT)のデータです。
FTランキングは、スクールや卒業生へのアンケート、公開情報を元に算出しています。
20以上ある評価項目のうち、給与と費用に関する下記3項目を抽出しました。
項目名 | 内容 |
Salary today | 卒業後3年での給与額 |
Salary increase | 卒業後3年での給与増額率 |
Average course cost | 学費 |
上記3項目を総合ランキング順に並べてみると、以下のようになります。

総合順位4位のUniversity of Southern California(Marshall)、同5位のCarnegie Mellon (Tepper)という米国勢のSalary increaseが大きいですね。
両校の学費が、オンラインMBAとしては破格に高額なことと無縁ではないでしょう。
・3年で平均3割アップ
さて上記10校の平均をとってみると、29.3%となります。
ほぼ3割ですね。
総合順位1位のIEの卒業生は、給与が32%アップしました。
これは3年間で約780万のアップがあったことになります。
3年後の給与が最も低いBirminghamでも、3年間で約490万のアップが得られたようです。
注記:1ドル=157円、1ポンド=200円で算出
・Fortune(米国)のデータ
次に同じく毎年MBAランキングを発表しているFortune(米国)のデータを見てみましょう。

左から順に、スクール名(全て米国)、オンラインMBAランキング順位、入学時点での給与の中央値、卒業生のベースライン給与平均値、増加額です。
ランキング12位のSouthern Methodist Universityでは、ビフォー/アフターで$52,500も増えています。
これは入学時給与が相対的に低めだった影響が反映されています。
とは言え、入学時点での給与が高額だったCarnegie Mellon UniversityとUniversity of Washingtonも$40,000近くの給与アップが見られます、

・在学中の昇給もあり
MBAでは、在学中に昇給する方も珍しくありません。
別のFortune記事では卒業までに43%も昇給した方のインタビューも掲載されています。
大学側にとっても在学生の昇給は、自校プログラムのアピールポイントになります。
University of North Carolineのウェブサイトでは、在学中の平均昇給額は24%であることが高々と謳われています。
世界的な人材難ですので、働きながらMBAに挑戦するという意欲的で優秀な人材を社内に繋ぎとめておくため「昇給」というカードが使われるようです。
ただ海外企業は日本より賃金水準が高く、終身雇用を前提としていないため、リテンションとしての昇給も一般的です。
その点はご認識頂いたうえで、上記データを分析なさってみてください。
2. 私の場合
次に、手前味噌ではありますが、私の年収アップの事例もご紹介させて頂こうと思います。
・海外MBA前の年収
プロフィールにも記載していますが、私は海外経験はなく、地方の社宅に住む専業主婦でした。
もちろん収入はほぼゼロです。
40歳の頃、パートや派遣社員として働き始めましたが、当時の年収は夫の扶養範囲内です。
家事の合間に細々と英語を勉強し、そのうち「英語を使う仕事」で職探しができるようになると、年収が200万、300万と上がっていきました。
ちなみに学費は2年間で200万円台に収まり、長年のへそくり(?)をはたけば、ぎりぎり払える額でした。
学費以外にコストがかからないオンラインMBAだからこそ、私のような収入レベルでも挑戦することが出来ました。
・海外MBA後の年収
その後、イギリスのUniversity of LeicesterでMBAを取得。
果たして年収は増えたのかと言うと…。
なんと有難いことに、大体3年後くらいには
40歳で働き始めた頃(夫の扶養範囲内)と比べると10倍以上になっていて、夫の年収を超えてしまいました。
・年収アップの理由
この大幅アップの理由は、以下の2つです。
- そもそもベースラインの給与(夫の扶養範囲内)が低かった
- 自分が付加価値を産み出せそうな場を見つけた
特に45歳過ぎで海外MBAを目指す方々には、医師や経営者など高収入の方も多く、そういう方々にとっては1.はほとんど参考にならないかもしれません。
ですが、2.はつまり自分と「場・組織」とのベストマッチを探すという事なので、誰にでも適用できるのではないでしょうか?
私の場合は、海外MBAを希少なグローバル人材と評価してくれる組織と上手くマッチングできたということになります。
もちろんそのためには、自分を売り込むための営業努力は不可欠です。
・「MBA=誰でも高収入」ではない
逆に言えば、自分と「場」がマッチしなかったり、自分を売り込む営業努力(?)が不足すれば、高収入には繋がらないケースもあるでしょう。
上記のFortune記事でも
”… just because an individual has an MBA, it doesn’t necessarily guarantee a higher salary.”
と釘をさしています。
厳しい言い方になって申し訳ないのですが、MBAを取れば誰でも簡単に高収入を得られるわけではありません。
MBAは、「医者」「弁護士」のような独占的業務のライセンスではないからです。
MBAはあくまでも「学位」ですので、何を学んでどう生かし、それをどう評価してもらえるかかは本人次第なのです。
だからこそやり甲斐があると思える方こそ、MBAに向いていると思います。
3. まとめ
この記事では、オンラインMBAによる年収アップについて自身の事例も踏まえて説明させて頂きました。
繰り返しになりますが、MBA取得=高収入ではなく、自分が輝ける(価値を発揮できる)場を根気よく探すことが何より大切だと思います。
経営・マネジメントスキルへの関心は高まる一方ですので、今後MBAホルダーが輝ける場の裾野はどんどん広がっていくと思います。
自分の可能性を信じて成長しようという思いのある方なら、きっと投資以上のものが得られるはずです。
是非、挑戦なさってみてください!
*本記事の内容は、あくまでも執筆時点での筆者のリサーチに基づいています。各校の最新情報は必ず、スクールのウェブサイトでチェックなさってください。